女性いきいき大賞 第18回表彰団体紹介
受賞団体
最優秀賞(山口県知事賞)
ポポメリー
(くらしづくり分野/山口市)
活動の動機
看護師である自分が乳がんを経験した折、様々な支援が当事者に届かないことを痛感。正しい情報を当事者や家族に伝えたい、当事者の心に寄り添う看護師でありたいと感じた。ポポはたんぽぽのポポ、メリーは素敵な笑顔からとった造語。身近に咲くみんなに好まれる花が風に運ばれてあなたの笑顔に繋がるように名付けた。
活動の目的
現在、がんにかかる可能性は2人に1人と言われている。山口県はがん検診受診率が全国最下位でありがんに対する正しい理解と知識を身につけることが重要。地域のなかで医療福祉を学ぶ機会があると、がん予防、がん医療、がんとの共生が理解でき、がん患者を取り巻く支援体制も整う。がん患者や家族だけでなくがんに関心のあるすべての人と、がんになっても前向きに自分らしく生きられる社会をめざす。
活動の内容
親や学校の負担を軽減して、子供たち一人ひとりに寄り添う以下のような、照子親(てらこや)活動を展開している。
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1.「がん患者とがんに向き合う人の交流の場を提供する」ことを目的に相談支援の場を設けている
・リアル座談会/第1日曜日、オンライン座談会/第3木曜日20時~と第4水曜日10時~
・がんと診断された人、これからの治療のことなど同じ境遇の人同士で話すことでほんの少しでも気持ちが軽くなることがある -
2.「がん経験を活かすための学びの場を提供する」ことを目的に地域のなかで啓発活動を行う
・2023/9/10 がん征圧月間に、市民公開講座と展示会「がん晴るフェア」を開催 -
3.「会員等の交流や学びの場を通じて得た知見を地域社会に繋げる」ことを目的にがん患者が患者力をつけピアサポートを充実する
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4.その他
・がん情報ギフト(冊子)を図書館に寄付
・マスコットキャラクター、がん検診のがん啓発推進グッズ開発
・入浴着普及、ウィッグの譲渡、ヘアドネーション推進
・がん教育外部講師育成 など
これからめざしたいこと
ピアサポーターの育成によりピアサポート体制を整えてがん患者支援の促進を図る。がん患者が自分自身の状況をみつめて、社会の中で過ごせるように社会的資源と行政を含めた医療機関との連携を図る。第4期がん対策推進基本計画「誰一人取り残さないがん対策を推進し、すべての国民とがんの克服を目指す」がんになっても安心できる山口県となるように、一人でも多くの人に検診の大切さを伝えること、いのちを大切にすること、共にできることを考え、伝えていきたい。
選考委員長講評
梅光学院学院長・梅光学院大学学長
樋口 紀子
「女性いきいき大賞」は今回で18回目を迎えました。今回の応募団体は22団体で、応募数としては去年同様少ないですが、受賞歴のなかった再応募団体が前回の応募時よりも、さらに工夫したり、活動の幅を広げた活動をしてこられたことが受賞につながっています。新規応募15団体、学生の部の応募は1団体でした。学生の部で受賞団体がなかったことが残念ですが、来年度に期待したいと思います。
1次選考では12団体にしぼり、1次選考で優秀賞4団体を、その中から最優秀賞を選びました。評価基準は活動の継続性、地域への広がりやその影響力、独自性、今後の可能性等です。
最優秀賞は厳正な審査の結果、「ポポメリー」(くらしづくり分野/山口市)が選ばれました。患者さんに対するピアサポートの活動が評価されたからです。奨励賞の2団体も今後の活躍が期待されるということで選ばれました。
最優秀賞、優秀賞団体の授賞理由は以下の通りです。
最優秀賞「ポポメリー」
(くらしづくり分野/山口市)
活動歴は3年と短いですが、会を立ち上げるために、他団体とつながりを作ったり、勉強会を開いたりとしっかりと準備をして活動を開始しています。病気になって、不安で押しつぶれそうな人たちに、経験者が寄り添って声をかけ、情報を提供したり、話を聞いたりすることは患者にとって大変励まされることだと思います。ピアサポート活動の充実だけではなく、検診率ワーストワンの山口県の現状に一石を投じる活動であると評価しました。
優秀賞(朝日新聞社賞)「MagMura∞」
(子育て分野/宇部市)
中山間地域の宇部市万倉(まぐら)で、豊かな自然の場を拠点に子育て活動をしている団体です。「ママの笑顔」をモットーに、親も子も参加してワクワクドキドキできる企画を次から次へと実現している様子は、とても楽しそうで、元保育士の経験を活かし、子育てお悩み相談やママ同士のつながりづくりなど、子育てママの応援団として活動してほしいです。
優秀賞(yab山口朝日放送賞)「特定非営利活動法人iCom」
(福祉分野/宇部市)
アルコールをはじめとする依存症の方々への直接の支援と病気の本質を知ってもらうための啓発活動を行っている団体です。このような活動は表に出にくいこともあり、またピアサポートについては日本はとても遅れてこともあり、依存症に悩んでいる当事者や家族のかたがたに知ってもらうためにも受賞ということでこの活動に光を当てることにしました。
優秀賞(山口新聞社賞)「山口県災害看護研究会」
(地域づくり分野/宇部市)
全国的に災害が増えている現在、この問題に長く医療関係者が携わり、仕事と活動の両立をしていることが評価されました。また、日ごろから災害について考えていくフェーズフリーの考え方や災害ボランティアの養成という点もでも素晴らしいと思います。災害意識の薄い山口県民に災害に対する備えの大切さを訴えてほしいとの願いを込めての受賞です。