女性いきいき大賞 第19回表彰団体紹介

受賞団体

最優秀賞(山口県知事賞)

グリーフサポートやまぐち
(地域づくり分野/防府市)

活動の動機

代表者が 2000 年に当時 4 歳の娘を飲酒運転事故により亡くし、当時は相談する処もなく、途方に暮れ、自身が困った経験から、交通事故被害者の相談等に関わり、2001年に自助グループを立ち上げた。さらに犯罪被害者支援センター退職を機に、「ピアサポートこはる」を設立。事件事故だけでなく、病気・いじめ・自死等の相談や支援が増えたことから、2015 年『グリーフサポートやまぐち』と名称変更。

活動の目的

大切な人・大切な何かを失った経験からくる様々な感情(グリーフ)を抱える大人や子どもが地域の中で孤立せずに集える安心・安全な「つどいの場」づくりと、人と人がつながり本来持っている力を取り戻せるよう応援すること、安心・安全な社会を作っていくことをめざす。

活動の内容

  1. 1.相談事業
    悩みを抱えた人の電話や面談による相談を受け付け、なるべく早く相手に会うことを心がけている。

  2. 2.サポート事業
    心理カウンセラー看護師等の専門家、当事者によるメンバーがこども、大人それぞれの話を聞きサポートを実施する。

  3. 3.広報啓発研修事業
    講演会・シンポジウムの企画開催、昨年度は6回開催。県内外に講師派遣。

  4. 4.ネットワークづくり
    子育て支援や子ども食堂、フードバンク等、様々な支援の場で困りごとやグリーフを抱える人たちに接してきた。「聞かせてくださいね」「何か困ってる?」という傾聴の機会を、様々な場所で持つことで、誰かもしくはどこかの団体と速やかにつなげていくことができている。

  5. 5.県外でのサポート
    広島県・島根県でのグリーフサポート、つるが交通遺族の会(R6.7 月設立)、グリーフサポートひろしま(R6.9月設立)開設・運営支援を行っている。

これからめざしたいこと

私たちだけではなく様々な市民団体がグリーフの視点をもって、来られる人に関わってくれることで、より良いサポート、地域でのひとづくりにも繋がると考える。
また、県外にグリーフサポートが広がることで、どこに行っても同様の支援が受けられる環境も整う。
当団体を知ってもらって、次の一歩が踏み出せる人たちが一人でも増えることを願って活動していきたい。

選考委員長講評

梅光学院学院長・梅光学院大学学長
樋口 紀子

「女性いきいき大賞」は今回で19回目を迎えました。 今回の応募団体は20団体で、応募数としてはあまり多くはなかったですが、 長きにわたって活動を続けてこられた団体、再応募団体、新規の団体等バラエティにとんでいました。時代にあわせた活動が受賞につながっています。受賞団体は一般8団体、学生の部は1 団体でした。

1次選考では15団体にしぼり、2次選考で優秀賞4団体を、その中から最優秀賞を選びました。評価基準は活動の継続性、地域への広がりやその影響力、独自性、今後の可能性等です。

最優秀賞は厳正な審査の結果、「グリーフサポートやまぐち」(地域づくり分野/防府市) が選ばれました。
様々な喪失感を抱える人々に寄り添う活動が評価されたからです。奨励賞の4団体も今後の活躍が期待されるということで選ばれました。

最優秀賞「グリーフサポートやまぐち」
(地域づくり分野/防府市)

病気、事故、事件、自死などにより、大切な人を失った体験からくる悲しみや苦しさ、怒り、無気力感等、さまざまな感情(グリーフ)を抱える人々に寄り添い、支える活動が評価されました。特に、この団体は第12回女性いきいき大賞の優秀団体ですが、7年間でゆるぎない基盤を築き、様々な団体と関わりを持つことで支援の輪が広がっていること、県内にとどまらず、 県外とのつながりもあり、広く活動していることも評価の対象となっています。

優秀賞(朝日新聞社賞) 「セレーノ四つ葉(肢体不自由・障がい児者/親と仲間の集う会)」
(福祉分野/宇部市)

第16回女性いきいき大賞の奨励賞団体です。障がい児者を育てる親が孤立しないように勉強会や交流会を開いて共に助け合うところから始まった団体ですが、前回と比較すると活動が広がっている点、同じ年齢の障がい児者たちや兄弟児が共に頑張ってきたことが評価されました。また、アートに対する芸術性も感じられました。

優秀賞(yab山口朝日放送賞)「NPO 法人親子ステーションあんころもち」
(子育て分野/宇部市)

28年の長きにわたる子育て支援活動の実績や、活動の規模の大きさ、実施日数の多さが評価されました。また、その活動が行政から高く評価され、委託事業として行われるまでに至った点も認められました。 その活動内容が多岐に亘っていることも注目すべき点です。この貴重な活動を今後も長く続けてほしいという願いも込めて受賞という運びになりました。

優秀賞(山口新聞社賞)「一般社団法人レベルフリー」
(くらしづくり分野/山口市)

防災は今の時代、誰しもが考えなければならない共通課題です。この団体は何か災害があった時にどう対応するかをアレルギー、外国人、ペット同伴等、あらゆる人を想定した避難所の在り方について住民と一緒になって取り組んできました。それが日常の横のつながりをも生み出します。 これからの活動にも大いに期待し、将来性という点でも評価されました。